4月10日追記
参加者の感想を追加しました。
集いファンのみなさん、こんにちは。
事務局Web担当のMindao Leeです。
昨日は、大阪なんばのOCATにて、第23回の集いを実施しましたので、報告いたします。
今回は、大東亜戦争中に少年工として、海軍兵器工廠で戦闘機の製造に携わった台湾人を描いた中篇ドキュメンタリー映画『緑の海平線』の観賞と、大阪在住の元少年工、何輝洲さんへの、フリーライターのY.T.さんと当事務局の副代表バナナ父さんによるインタビューと質疑応答を実施しました。
私たち事務局スタッフも、映画、そして何さんのお話を通じて知られざる台湾少年工について知ることが出来、有意義な時間が過ごせました。
当時の海軍兵器工廠の一つ、神奈川県大和市のホームページには、台湾少年工についての紹介がありますので、ご参考ください。。
また後日、参加された方からの感想が事務局に寄せられましたので、掲載いたします。
Fさん(男性)より
昨日の何輝洲さんのお話、とってもよかったです。映画と併せ、臨場感を得ました。以下の2点を感想としてお送りします。
【その1】
会場の女性から「日本にだまされた、裏切られた気持ちにはならないのですか」という質問がありました。
悪気はないと思いますが、はっきり言うと、当事者ではない外野席からの愚問です。
ずっと前に、NHK「わが心の旅」という番組で俳優の山口崇氏が出ていて、彼の父親は崇氏が母親のお腹の中にいる時に中国に出征し、現地で戦死しました。したがって、彼は父親の顔を知らないわけです。
それで、シナの現地で、父親の戦死した、おおよその場所を尋ねるという設定でした。
崇氏は、父親の戦友の同窓会に同席しましたが、軍歌を高唱し、軍隊を懐かしむ戦友たちに違和感を感じ、そいたたまれなくなったそうです。
後で戦友の一人から手紙をもらい、「軍国主義は間違い」「戦争は間違い」の定義だけで、時代を理解する難しさを知り、戦友たちに対する誤解が氷解したそうです。
崇氏は戦後教育をまじめに受けて育った世代なのです。
「戦前・戦中の日本の軍国主義」を「ソ連・東欧の共産主義体制」や「シナ等の全体主義体制」に置き換えてもいいと思います。
「間違い」「だまされた」だけで、その時代を精一杯生きてきた人たちの人生を片付けることはたやすい。ましてや、「間違い」「だまされた」結果を知らずに死んでいった人たち、戦死、病死、自然死にかかわらず、は、なおさらです。
生き残った人たちは、何さんの話のように、「間違い」「だまされた」後の転換した世界をどうするのかを問うことこそが、責任のありようだと思います。
該当時代の責任を問うべきは、権限を持ち、情報を知りえた一部の政治的な責任者であって、従うしか生きる術を持たない
下々の人たちを観想的な気楽さで一刀両断に切ってしまう態度こそ、残酷であるという非難を免れないのではないかと思います。
【その2】 以下は、仮説です。
日本の植民地政策が英仏の植民地政策と根本的に異なるかどうかについて、「植民地政策」がひどいという評価は、マルクス主義や左翼の刷り込みで、インカ帝国侵略や19世紀型植民地主義はそうかも知れませんが、20世紀には、国際法も整備され、英仏植民地政策も変化があったように思われます。
日本の台湾統治初期には、植民地統治経験のない日本政府はイギリスをモデルにしようとして、官僚を英国に派遣して研修させています。
日本だけ、英仏とは別で特別という発想は、ややナショナリズム的な「思い込み」にような気がしますので、パラダイムの修正が必要ではないかと考えています。
以上
参加者はほぼ満席の43名。参加されたみなさん、ありがとうございました。
コメントをお書きください
バナナ父さん (金曜日, 13 4月 2012 18:10)
注文していた本が届きました。「台湾少年工と第二の故郷」(平成11年7月出版)日本人の側からの視点ですが、何さんのお話をふまえて詠んでみようと思いました。
http://tendensha.co.jp/asia/asia168.html
Mindao Lee (火曜日, 08 5月 2012 13:25)
>バナナさん
台湾少年工について理解を深めるのには良さそうな本ですね。