写真提供 : 株式会社FLACOCO様
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昨年の東京国際映画祭、そして2月に東京の劇場で公開され多くの方々に絶賛された映画『空を拓く 建築家・郭茂林という男』。この作品が5月に大阪・十三にあります第七藝術劇場にて公開されます。
(関西地区では公開時期未定ですが、京都みなみ会館、神戸アートヴィレッジセンターでも上映予定です)
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この作品は、『台湾人生』の酒井充子監督の最新作でもあります。
現在も日本に聳え立つ高層ビル群、そして台北駅前の新光三越ビルを設計した台湾人の郭茂林さんの素顔と業績に迫るドキュメンタリー映画。当集いからも関東在住の”シネマ番長”イノさんが大阪公開に先立ち観賞。
そこで集い事務局では、イノさんにこの映画の魅力を語ってもらうことにしました!
それではイノさん、どうぞ!
【イノさんのシネマレビュー】
昨年の後半Facebookで映画の存在を知ったのですが、当初は内容が建築の関係ということでどうしても難しそうな印象も受けました。酒井監督の舞台挨拶があると聞いて、制作に関するお話を聞くことが出来る機会なので行ってみました。
前売券やポスターがまず素敵ですね。 青空に向かって、ビルが伸びていくような前売券、 手前に霞ヶ関ビル、遠方に富士山を捉えたポスターやパンフレット。 これだけでも何かを訴えかけて来るようです。
霞ヶ関ビル、世界貿易センター、池袋サンシャイン60等は戦後の高層ビルの象徴のように感じます。
また台湾でも、台北駅のランドマークである新光生命保険ビル等の、こういった高層建築及び都市計画に関わって来られたのは凄いことなのだと思います。
何と言っても魅力的なのは、郭茂林さんのお人柄ですね。
「男の子は、夢があるから成長して行くんだ。」
男の子に限らず、人間はこうありたいものですね。
戦前から戦後へ、学業・仕事、苦労されているのだと思いますが、そんな様子は全くお見せにならずに、「中華民国には縁もゆかりもない」として日本で生活された戦後のことももっとお聞きしたいところですが、映画の完成直後に亡くなられたとのこと、残念です。こういう方がいらっしゃったんだということを知ることは価値があることだと思います。
映画の後半には李登輝元総統も登場され、お元気なお姿が見られます。
郭さんが卒業された公学校(当時)で子供達と触れ合う場面や、若い建築家の卵達(国立台北科技大学の後輩達)を指導する場面などから、仕事に厳しく人に優しい人柄が感じられます。
また、酒井監督の台湾の様々な世代への眼差しも感じられるようです。
新作の『台湾アイデンティティー』も楽しみですね。
【イノさんが語る、映画『空を拓く』及び郭茂林さんの魅力について】
酒井監督もキュートな方だったと言っていますし、郭さんご本人も「台湾人生」を鑑賞されて、「ボクも主人公になれるかな」とおっしゃたそうですが、「台湾人生に出演されている方々」また当集いの竹市代表にも通じるような、魅力を感じます。
リピーターで見に行ったのも、酒井監督や東京映画祭ディレクターの矢田部さんのお話が楽しみだっただけではなく、スクリーンの中の郭さんの自然体の魅力に引かれるところが大きかったと思います。
郭さんの才能を認め重用した当時の学界(東大建築学科等)・財界(三井不動産等)の方々も素晴らしかったのだと思います。
自分個人が有名になるよりもチームワークを評価して欲しかったのではと酒井監督が書かれていますが、自分の周りのスタッフの人々を大切にするお人柄が感じられます。
高層建築だけでなく、台北駅の地下化等の都市計画にも関わる人間優先・ヒューマンな都市計画(ゆとりスペース、歩車分離、集合空調設備)の推進にも関与されています。
酒井監督が、高層ビルは本当に必要だったのかを聞きたかったがお聞きする機会がなかったと書かれていますが、郭さんがどう答えられたか興味があるところです。
最後に郭さんが車から降りた際に手を振るシーンもとても印象的です。
当集いに郭さんが来られてお話を聞くことが出来ればどんなにか良かったであろう、などと夢想してしまいます。
(参考文献) 映画プログラム 正論3月号 東京人3月号
イノさん、紹介ありがとうございました。
『空を拓く_建築家・郭茂林という男』、公開がとても楽しみですね。
4月20日の集いにて予告篇を上映いたします。
みなさん、応援をよろしくお願いします!
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イノ (月曜日, 22 4月 2013 00:06)
渋谷では、2~3月にユーロスペースで上映された後、4月は渋谷アップリンクで上映されてますね!(^o^)/~~